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TOEICと受験英語の違いとは!?『実践力』か『学力』か。

 

もう十数年前になりますが、初めてTOEICを受けた時、受験英語とのあまりの違いに驚いたことをよく覚えています。

リスニングの配点が高かったり、英単語が思ったより分からなかったり、文章自体は簡単だったり…

受験英語とは、全く違うテストでした。

 

今回は、当時の記憶を掘り起こしながら、TOEICと受験英語の違いについてお話したいと思います。

TOEICはビジネス。受験英語はアカデミック。

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まずは基本的な違いから。TOEICと受験英語で一番分かりやすい違いは、ビジネス英語かアカデミック英語かという点でしょう。

 

TOEICは、ビジネスでの英語を想定しています。

オフィスでの会話やセミナーのスピーチ、伝票や請求書を含んだ文書など、ビジネスシーンで登場しがちな問題が多いです。

 

一方、受験英語はアカデミックを想定しています。

受験は、学生が大学入学後の勉学についていけるかを測る試験ですからね。

ですので、受験英語の場合はエッセイや論説文書などからの出題が多く、アカデミック色が強いです。

 

TOEICと受験英語では、そもそも想定する英語が違うことは認識しておきましょう。

したがって、必要な単語は全然違います。

ビジネスで多く使われる英単語とアカデミックで多く使われる英単語は同じじゃないですからね。

ですので、受験英語を終えて初めてTOEICを受験する人は、単語の違いに気を付けてください。

TOEICは簡単な英語を大量に。受験英語は難関な文章をじっくり。

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特にリーディングで顕著ですが、文章自体の難易度も全然違います。

 

TOEICでは、文章自体はとても簡単です。

パート7の長文読解に関して言えば、複雑な構文解析はほぼ必要ありません。

関係代名詞・副詞は単純な使われ方がほとんどです。構文解析で悩むケースはほぼないでしょう。

また、難しい言い回しもほとんど出てきません。

パート5の文法問題では、多少難しい言いまわしも見かけますが、悩むほど難しい文法構造になっていることはほぼありません。

その代わり、TOEICでは文章量はとっても多いです。TOEICは時間との戦いと言われるように、時間内に解き終わらない人も多いんじゃないでしょうか。

 

一方、受験英語は文章量が少ない代わりに、難関な英文を読解できる能力が求められます。

(センター試験ではそこまででもありませんが。2次試験ではこのような傾向が強いと思います。)

エッセイや論文、はたまた哲学みたいなやたら抽象的な文章が出題されるケースもあるでしょう。

難しい文章をじっくり、正確に読んでいく。

受験英語では、どちらかというとこんな能力が求められている、と言うのが僕の印象です。

TOEICに和訳は必要ないが、受験英語は和訳が必要

TOEICでは、和訳は必要ありません。

というか、問題にも解答にも、全く日本語を使いません。

TOEICは日本人以外も受けるテストですからね。これは当然です。

英語を英語のまま理解し、意味を取ることができるか。『英語の実践力』をTOEICでは問われています。

 

一方、受験英語では和訳が求められるケースがあります。

和訳って結構難しいんですよね。

英文を読んで、意味が取れているだけでは不十分で、ちゃんと構文解析ができてイディオムを知っている必要がありますからね。

なんとなくではダメなんです。

英文法をしっかり理解できていて、使いこなせているか。

受験英語では、『英語の学力』が問われているわけですね。

結局、TOEICと受験英語では、想定している状況が違う

そもそも、受験英語とTOEICでなぜこのような違いがあるんでしょうか。

それは、それぞれの試験が想定している『英語を使う状況』が違うからにほかなりません。

 

それでは、TOEICはどのような状況を想定しているのでしょうか。

言うまでもなく、ビジネス英語です。オフィスなど、社会人が仕事で英語を使うような状況ですよね。

実際、ビジネスで英語を使う場合、難解な英文を読むことはほとんどありません。

ビジネスはSimple is best。ビジネス文書では要点が分かりやすくまとまっており、ざっと読んでも概要が分かるように作られています。
(契約書とか技術文書とか、仕事で難解な英文を読むケースも実際にはありますが、それはTOEICの想定しているシチュエーションではないでしょう。)

一方、ビジネスでは大量のレポートや資料に目を通す必要があります。しかも限られた時間内で。

ですので、TOEIC試験でも、簡単な英語を大量に読むことを課す試験にしていると僕は思っています。

 

一方、受験英語はどのような状況を想定しているんでしょうか。

当然、学生が大学入学後の勉学で使う英語ですよね。

つまり、論文を読んで内容を理解したり、また自らの成果を論文で発表する。このような英語の使い方が念頭にあるわけです。

だから、読解はゆっくりでもいい。時間制限はないですからね。

その代わり、内容はとても難しいです。論文に書いてあるのは、抽象化された内容や高度な理論。そういった文章を理解しなくちゃいけないわけですから、受験英語の問題文は自ずと難解になります。

 

このように考えると、TOEICと受験英語が全く違う性格なのは当然ですよね。

ですので、受験英語の延長上でTOEICを受けると、痛い目を見ます。

しっかりTOEIC向けの勉強をして、本番の試験に臨みましょう。

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