ついに決まりましたね、英語民間試験の延期。
僕は受験とはまるで関係ない人間ですが、それでも『これで良かったな』っていう感想を持っています。
このブログでもちょっとだけ触れましたが…まあ、実施してもちゃんと活用されないことが明白でしたからね。
東京大学の入試の要件がCEFRでA2って…留学に必須なTOEFLやIELTSというテストでは低レベルすぎてA2なんて測定不能ですからね。
マジで意味不明です…。
今回の英語民間試験導入騒動に関しては、実は個人的に言いたいことが沢山あります。
『必要性』、『有効性』、『コスト』の3つの観点から、英語民間試験導入が延期に至ったのは当然だと思っています。
今回は、英語民間試験導入騒動に関する僕の勝手な感想を書いてみたいと思います。
本当に『受験生全員』に英語4技能のテストが必須なのか?
まず一つ目の疑問点。4技能のテストを受験生全員が受ける必要があるのか?という点です。
英語民間試験は、いわゆる大学入学共通テストの一環として使われる予定でした。大学入学を希望する学生の大部分が受けるテストです。
でもですね。日本の大学生活で英語を話したりしますか?僕は大学生の時に英語の講義は一度も受けなかったですし、一言も英語をしゃべりませんでしたよ。
さらに言うと、日本文学専攻の人に英語を話せる能力って必要ですか?多分必要ないですよね。
なんで『受験生全員』に英語4技能の試験を課すのか、不思議じゃないですか?
「いや、大学生たるもの、英語を話せて当然!そういう教育環境にしなければ!!」
っていう意見もあるかもしれません。
確かに、世界的には大学卒業=英語はある程度喋れるっていう構図があるのは事実です。
それでも、大学入学時点で英語を話せる必要なんてないと思うんですよね。
大学で英語をちゃんと教育して卒業時に喋れるようにすればいいんです。
結局のところ、日本の大学では講義は日本語で行われ、テストも日本語です。
少なくとも、大学入学時点では高度な英語力は求められません。
それなのに、なぜ躍起になって受験生全員に英語4技能のテストを課すのか?ちょっとギモンですね。
受験英語を変えればグローバル化できるという妄想
今回の英語民間試験導入の流れなんですが、背後に
「受験英語を難しくすれば、日本人だってすぐに英語が得意になるっしょ!!」
っていう無責任な楽観論を感じるんですよね。
はっきり言って、英語をナメすぎてます。
大学受験の勉強程度じゃ、国際人として通じるレベルの英語力なんて絶対身に付きません!!
しかも、高校3年間の勉強って、数学とか物理科学とか地理とか世界史とか国語(古文、漢文)とか…山ほど勉強することがあるんです。
それなのに、英語の入試を改革して、「学生のグローバル化、ばっちり♪」なんて甘すぎる!!!っていう話なんですよね。
個人的には、「大学生をもっとグローバルに→受験を変えればOK!!」っていう短絡的な発想が気に入りません。
大学院留学を経験して、それでも自分の英語力が低すぎることに悩んでいる僕からすると、目の付け所が圧倒的に間違っています。
もっと長い時間をかけて、真面目に英語に取り組める環境を作らない限り、日本人学生のグローバル化なんて夢のまた夢です。
英語4技能の試験はコスパが悪すぎる!!
最後に、スピーキングとライティングの試験が高すぎるというのも大きな問題点です。
TOEICを例に挙げると、リスニングとリーディングのみのTOEIC L&R は、5,830円です。
一方、スピーキングとライティングを測るTOEIC S&Wは、10,450円!倍近い値段がします。
また、留学に必須のTOEFLやIELTS試験(いずれも4技能検査)に至っては、2万5千円くらいかかります。気軽に受けられる値段ではないですよね。
実際、スピーキングとライティングの採点って大変なんです。
僕はTOEFLとIELTSの試験を受けたことがありますが、両者ともに人手による採点でした。
TOEFLは、半分機械、半分人間による採点です。TOEFLはパソコンを使った試験ですが、スピーキングは録音された音声を実際に採点官が聞いて点数付けを行います。ライティングも同様に、タイプされた文章を実際に読んで、点数付けを行います。
一方、IELTSの場合、スピーキングは面接形式です。実際に面接官と一対一で会話をして、採点されます。また、ライティングは、手書きで回答用紙に書いた文章を採点されます。
リーディングやリスニングは選択形式で自動採点なことを考えると、スピーキングとライティングの採点は大変なんです。なので、受験料が高くなるのも仕方がないわけですね。
これほど手間がかかる試験を、受験生全員が本当に受ける必要があるのか?って話なんですよね。
個人的には、TOEFL〇〇点を大学の卒業要件にすれば事足りる問題なんじゃないかと思うんです。
大学に行けるかどうかを選別する受験という段階で、こんなコストがかかる試験なんて受ける必要ないです。
だって、日本の大学の授業は日本語で行われるんですから。
まとめ
今回は、大学入試の英語民間試験について思うことを述べました。
大学入試への英語民間試験の導入は、
- 必要性
- 有効性
- コスト
の3点から、延期して当然だと思います。
本当に日本人学生をグローバル化したいのであれば、入試への4技能テスト導入という小手先の改革ではなく、大学を含めた教育環境の抜本的な改革が必要でしょう。