今回は、留学について語ってみようかなと思います。
実は僕、大学院への留学経験があります。
留学先はイギリス。人生で一番多くのことを学んだ経験でしたね。
実際に正規留学を経験した身からすると、日本人が持っている『留学』のイメージと実体はかけ離れていることに気づくわけです。
日本人が抱く留学都市伝説。多分こんな感じじゃないでしょうか。
- 海外の大学は入学するのは簡単
- 入学試験はなく、レジュメだけで合格できる
- 入ってからが大変。メチャメチャ勉強しないと卒業できない。
↑の都市伝説、正直結構間違っています。(少なくともイギリス留学の場合は。)
僕の経験上、大学院留学の実際はこんな感じです。
✅ 入学するのは難しい!メチャメチャ勉強しなきゃダメ
✅ 入学試験、大学によってはありますよ。
✅ 実は卒業するだけならそこまで大変じゃない
それでは、留学って実際にはどんな感じなのか?
僕の経験談をお話しましょう!!
海外の大学に入学するのは大変です!
「海外の大学に入るのは簡単」。こういったウワサ、一度は聞いたことがあるでしょう。
なんでこんなことが言われるんでしょうか?その理由は、入試プロセスにあります。
海外の大学の一般的な入試プロセスは、次の通りです。
- 英語や基礎学力試験 (GREなど)のスコアをそろえる
- 推薦状を書いてもらう
- 志望動機書を書く
- CVを書く
- 成績証明書を送る
- 面接を受ける(ない場合も多い)
ちなみに、推薦状は、自分の研究室の教授などに書いてもらうものです。
志望動機書は、なぜ僕がその大学のその専攻に入学する必要があるのかを書きます。
CVは、いわゆる履歴書です。論文リストとか、経歴書とか、大学のときの成績とかを2ページ程度のドキュメントにまとめます。
確かに、入試プロセスだけ見ると、簡単そうに見えますよね。
基本的には書類選考+面接だけで終わるんですから。
アメリカとかイギリスの大学では、いわゆる日本的な入試がないんです。
大学の教室に集められて、その大学特有の試験問題を時間内に解くっていう学力試験は基本的にありません。
英語 (TOEFLやIELTS)と基礎学力 (GRE)のスコアを提出する必要がありますが、これは事前に何回も受けられる試験です。形式としてはTOEICみたいなものです。一発試験ってわけじゃないんです。
「なんだ。テストがないんじゃん。書類選考だけなら、入るの簡単じゃね?」
って勘違いしている人が多いんでしょうね。
実際に入試を受けてみた身からすると、海外の大学に合格するのはすっごくすっごく大変です。
断言しますが、「海外の大学は入りやすい」って言っているのは、正規留学したことがない人です。
真面目に留学プロセスを踏んだ人は、いかに合格を勝ち取るのが大変か、身に染みて分かっているはずです。
合格を勝ち取るための、最初にして一番の難関は英語のテストです。
留学するためには、TOEFLとかIELTSとかいう試験を受けて、ある一定の点数を取らなければなりません。
スコアが足りなければ足切りです。スタートラインにすら立てません。
それなのに、英語のテストがメチャメチャ難しいんです…
英語のスコアをそろえるのは、本当に鬼門です。
特にTOEFLが激ムズです。この難しさは、言葉で表すことができません。
ハイレベルの英語力がないと、その難しさすら実感できないくらいです。
「相手の強さが分かるのも実力のうち」
「強くなればなるほど、貴様が遠くなっていく気がするぜ…バケモノめ…」
っていう名言が身に沁みます。
ですので、英語のスコアが取れずに留学をあきらめる人はかなりの数いると思います。
それほどTOEFLは難しいです。
他にも専攻によっては、GREなどの基礎学力テストが重視される場合もあるでしょう。
その場合、難易度はさらに上がります。
特に、GREのverbal (アメリカ人の国語試験。つまり英語試験。)は、本当に意味不明でした。
何て言うんですかね…古文を読んでいる感覚になります。
ネイティブですら頭を抱える試験を、僕が受けて点数が取れるわけがありません。
幸い、僕の専攻ではGREのverbalは重視されなかったので、助かりましたが。
あと、言うまでもありませんが、留学するには英語さえできればOKなわけではないですよ。もちろん。
英語ができるのは最低限。足切り要因です。
そのうえで、大学での成績や基礎学力テスト、推薦書の内容や志望動機書の出来などにより、合否が決定します。
ただ、日本人にとって、英語力の足切りを突破するのが一番の難関なのは間違いないですが。
入試は書類選考だけ?実は入学試験が課されるケースもあります
一般的には書類選考だけで終わりなんですが、ごく一部入学試験が課される場合があります。
僕の場合も一校、入学試験がありました。その大学は落ちましたが(^^)/
僕のケースでは、ペーパーテストを大学に行って受けるわけではありませんでした。
突然A4一枚の数学の問題がe-mailで送られてきて、
「フリーフォーマットでいいから48時間以内に解答を提出しろ」
って急に言われました。
メールを見落としたら終わりですね。問題自体は、そこまで難しい問題ではなかったんですが。
ちなみに、その大学は、最終選考まで行きましたが、interviewで落とされました。
僕の英語力…(´;ω;`)ウッ…
実は卒業するだけならそんなに難しくない
あと、留学に関するもう一つの誤解として、「卒業するのは難しい」というものがあります。
大学にもよるかもしれませんが、実は卒業するだけならそれほど難しくはありません。
僕の留学先では、卒業できない人は10%程度でした。
「死ぬほど頑張らなければ卒業は無理」っていう感じではありません。
日本の大学よりは学生は真面目でしたが、それでも授業をサボっている人は少なからずいましたよ。
ただ、成績優秀者を取るのは難しいです。
イギリスの大学では、50点を超えればpass (可)、60点~70点がmerit (良)、70点以上がdistinction (優)となっているんですが、優を取るにはかなりの勉強が必要です。
レポートもテストも、かなり簡単な、基本的な問題が半分くらいあります。
いわゆるサービス問題ですね。
ですので、あまり勉強していなくてもpassはとれるようになっています。
ですが、レポートや試験には1~2問、かなり難しい問題が必ずあります。
50点までの壁はかなり低いんですが、70点を超えるのは至難の業。そんな問題構成になっているんですね。
少なくとも、僕の大学ではそんな感じでした。
レポートが多いという噂は本当
海外の大学では、「レポートが多い」というイメージを持っている方も多いと思います。
そのイメージは正しいですね。
確かにレポートは多かったです。
平均的には週1でレポートがあるような感じでした。
もちろん、レポートが重なることもあるので、その時は大変でしたね。
日本の大学よりも、レポートは多いというのは事実です。
ちなみにですが、学期末にはちゃんと筆記試験もありますよ。
筆記試験は日本と似た形式でしたね。
解答用紙が渡されて、それに記述式で書いていくわけです。
英語で書いていくんですが、僕は理系の専攻でしたのでそんなに大変じゃなかったです。
数式は国が違っても同じですからね。
まとめ
今回は、海外の大学の都市伝説についてお話しました。
海外の大学に入るのは簡単ではないですし、卒業するだけならそこまで難しくはないです。
世の中一般的なイメージとちょっと違いますので、留学を目指している人は注意しましょう。