留学

イギリスに住んでみて、「日本人って平和主義だな」って感じた瞬間

僕はイギリスに留学した経験があるんですが、一度戦争について考えさせられた経験があります。

僕が留学したのは4年前。終戦70年という節目の年でした。

色々びっくりしたこと、モヤっとしたことも多かったんですが、紆余曲折を経て

「今の日本人ってとても平和主義なんだな」

っていう結論に至りました。

イギリスでの生活を通して、僕が何を感じ、この結論に達したのか?

特に深い話でもありませんが(笑)、僕の経験談・感じたことについてお話したいと思います。

イギリスの8月15日が正に「パレード」でびっくりした話

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8月15日。日本人なら誰もが知っている、終戦記念日ですよね。

実は、海外でも同じように、8月15日を記念日にしているところがあります。

イギリスの場合、8月15日はVictory Over Japan Day (VJ Day)。日本語訳にすると、「対日戦勝記念日」です。

 

実は僕、恥ずかしながらイギリスにVictory Over Japan Dayなるものがあることを知らなかったんですね。

対日戦勝を祝うのは、中国や韓国といったアジア各国や、アメリカくらいだと思ってました。

そして、初めてVictory Over Japan Dayを見たときは、本当にびっくりしました。はっきり言って、衝撃でした。

まさにパレード!!お祭りでしたね。TVで中継もするほどの規模でした。(普段は、大したイベントではないそうです。僕がいたのが偶然70周年だったので、規模が大きかったみたいです。)

イメージですが、こんな感じでセレモニーが行われ…

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(ごめんなさい!!写真撮ってないのでイメージ図です…)

その周りはVJ Dayを祝う人たちがかなりの人数集まってましたよ。

何て言うんでしょうか…。日本人の僕が外を歩くのがちょっと怖いくらいのお祭り騒ぎでした…(実際には外を歩いても大丈夫なんでしょうけど。。)

外国人にとって、『戦時中の日本=悪の帝国』だという事実

留学中、日本人に対して悪いイメージを持っている外国人に会ったことは一度もありませんでした。

むしろ良いイメージを持っている人が多いとさえ思いました。

でも、戦時中の大日本帝国に対しては全く別です。

ちょっと大げさかもしれませんが、

大日本帝国 = 悪の帝国

という認識を感じました。

ドラクエで例えるならば、日本=魔王軍

第二次世界大戦のイギリス軍人たちは、さながら魔王を倒した勇者ってところでしょうか。

Victory Over Japan Dayは、悪事を尽くした魔王軍を打ち破った勇者たちを称える日!

正義の連合国が、悪の日本に打ち勝った日!という認識なのかもしれません。

「対日戦勝を祝う」イギリス、「戦争自体を反省する」日本

でも、この感覚、ちょっと日本人からすると、違和感があるんですよね。

はっきり言って、イギリスのVJ Dayはびっくりしました。

「え!?戦争って祝うものなの!?」

っていうのが、僕の率直な感想でした。

 

いや、別に僕は右側の人間じゃないので、日本の大戦時のふるまいを正当化するつもりはありません。

日本政府も公式に言っている通り、先の戦争は侵略戦争ですし、その際に残虐な行為があったことも史実です。

少なくとも僕はそう習いましたし、そういう認識を持っています。

 

でもですね。戦勝国側が

「戦争に勝ったことをお祭りのように祝う」

というのは、日本人の戦争観からすると、ちょっとズレています。

少なくとも僕は、

「戦争自体が悪いこと。今後戦争を繰り返さないように最大限の努力をすべき」

と言う認識を持っています。多分、多くの日本人も同じだと思います。

戦争に勝とうが負けようが、被害は間違いなく出ます。なので、戦争を起こさないことが重要。日本人はこういう論理で戦争をとらえていると思います。

ですので、8月15日は「終戦記念日」。敗戦記念日ではありません。

日本が戦争という悲惨な行為から解放されたことを想い、犠牲者に追悼の念を示す。

そして、二度と戦争という悲劇を繰り返さないことを誓う。そんな日であるはずです。

戦争に勝った負けた。そんなことはどうでもいいのです。戦争という間違った行為により大きな被害を出してしまった。それを反省し、同じことを繰り返さないことを誓う。日本人にとって、それが重要なんです。

 

一方、イギリスにとって、8月15日は悪の帝国日本を倒した日。そして、その出来事を大々的に祝う日。

僕が日本人だからかもしれませんが、僕には彼らが戦争を肯定しているようにも見えてしまいます。

先の戦争は正義の戦争。だから自分達の行いは正しいし、正義の鉄槌を日本に下した連合国は正しい。あの戦争は、正しい行為だったんだ、と言っているように僕には見えます。

僕はやっぱり日本人。日本人の戦争観のほうが好き

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戦後70年を超え、僕も含め、ほとんどの人は先の大戦を経験していません。

その中で、「戦争に勝ったことを祝う」のは時代遅れな気がしてしまいます。

人はなぜ歴史を学ぶのかというと、過去の出来事を顧みて、未来に向けてより良い選択をするためです。

日本人が先の戦争で何を学んだのか。それは「二度と戦争をしてはいけない」ということでしょう。

8月15日の終戦記念日は、日本が歴史から学んだことを忘れないための一日だと、僕はとらえています。

8月15日に戦勝を祝うイギリスと、8月15日に戦争という悲劇を振り返る日本。

日本の方がより強く平和を願っているように見えるのは、僕だけじゃないはずです。

 

VJ Dayを見て、戦勝をお祭りのように祝うイギリス人に日本人の僕がびっくりした…

この事実が、日本人がいかに平和主義かを端的に表していると思います。

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