こんにちは。
miyaneです。
ちょっと前に、受験英語で外部試験を導入しようっていう流れがありましたよね。
従来のセンター試験に変わって、英検とかTOEFLとかの試験を導入しようって言うアレです。
結局、紆余曲折を経て廃止されましたけどね。
所謂『残当』ってやつです。
さて、そんな英語民間試験ですが、実は
TOEFL <=> IELTS <=> TOEICの換算表
なるものが存在します。
そこで気になるのが、
民間試験間のスコア変換って正しいの?
というギモンです。
実は僕、TOEICとTOEFLとIELTSをほぼ同時期に受けたことがあります。
(ちなみに、TOEFLとIELTSは留学向けの試験です。)
これら三つの試験の換算式は正しいのか?
僕のケースで検証してみました。
CEFRとは!?英語民間試験の相互換算表
まず、大学入試での英語試験の点数変換について調べてみました。
点数変換は、どうやらCEFRに基づいて行われるようです。
CEFRって何?って人がほとんどだと思いますので、
文部科学省のこちらの資料から引用しました。
CEFRとは、
語学シラバスやカリキュラムの手引きの作成、学習指導教材の編集、外国語運用能力の評価のために、透明性が高く、分かりやすい、包括的な基盤を提供するものとして、20年以上にわたる研究を経て、2001年に欧州評議会が発表した
モノだそうです。
ザックリ言えば、研究に基づくそれっぽい英語力基準 (乱暴)のことです。
最高ランクのC2から、最低ランクのA1まで、英語力を6つにランク分けしています。
で、文部科学省は、平成30年にTOEFLやTOEICなどの英語民間試験とCEFRとの変換表を公開しました。(出典:各資格・検定試験とCEFRとの対照表)
↓の表は、文部科学省の資料から、IELTS、TOEFL iBT、TOEIC (S&W)を抜き出したものです。
CEFR | IELTS | TOEFL iBT | TOEIC (LRSW) | TOEIC (LR) |
---|---|---|---|---|
C2 | 8.5 - 9.0 | - | - | - |
C1 | 7.0-8.0 | 95-120 | 1845-1990 | 945 |
B2 | 5.5-6.5 | 72-94 | 1560-1840 | 785-940 |
B1 | 4.0-5.0 | 42 - 71 | 1150-1555 | 550 - 780 |
A2 | - | - | 625-1145 | 225-550 |
A1 | - | - | 320-620 | 120 - 220 |
ただ、リスニングとリーディングのみのTOEIC (L&R)は換算表がなかったので、ETSの公式サイトを参照し、追記しました。
この表が、TOEIC<=>TOEFL<=>IELTSの公式変換表と言えるでしょう。
うん。公式変換表は意外と合ってる。
では、僕の場合を例にとり、この変換表が正しいかどうかを確かめてみました。
ちなみに、僕はTOEIC S&Wは受けたことがないので、TOEIC L&Rで換算しています。
僕のスコアは
テスト | スコア |
---|---|
IELTS | 6.5 |
TOEFL iBT | 93 |
TOEIC | 845 |
です。
これをCEFR換算表に当てはめてみると…
じゃん!!
CEFR | IELTS | TOEFL iBT | TOEIC (LRSW) | TOEIC (LR) |
---|---|---|---|---|
C2 | 8.5 - 9.0 | - | - | - |
C1 | 7.0-8.0 | 95-120 | 1845-1990 | 945 |
B2 | 5.5-6.5 | 72-94 | 1560-1840 | 785-940 |
B1 | 4.0-5.0 | 42 - 71 | 1150-1555 | 550 - 780 |
A2 | - | - | 625-1145 | 225-550 |
A1 | - | - | 320-620 | 120 - 220 |
見事!?全部の試験でB2でした!!
なんだ!!変換表正しいじゃん!
ところで、B2ってどの程度の英語力なのでしょうか。
CEFRでは、英語力B2を次のように定義しています。
自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。幅広い話題について、明確で詳細な文章を作ることができる。
うん。ムリだ。特に母語話者とはお互いに緊張しない~のくだりの部分が。
明らかに僕は過大評価されているようですね。
これで上から3つ目の評価か。C2とC1はバケモンなんだという事がよく分かりました。
TOEFLとIELTSが大学入試で使われなかったのは『残当』
ちょっと前に、「大学入試改革だ!」とか言って、TOEFLやIELTSを大学入試に導入しようとする流れがありましたよね。
「スコア変換が正しいなら、大学入試にも使えたんじゃない?」なんて思った方もいるかもしれません。
でもですね。僕の意見は真逆です!TOEFLやIELTSは大学入試に絶対使うべきじゃありません!!
理由は、コチラ↓の記事です。
「東大・京大など、国立大25校がCEFR A2レベルを要求」
当時の報道によると、東大・京大などの最高学府が、CEFR A2レベルを受験生に求めていた、という記事ですね。
ふーん、A2か…A2ね…
ん!?A2!!!???
いや、落ち着きましょう。
もう一度、CEFRの換算表を見てみましょう。
CEFR | IELTS | TOEFL iBT | TOEIC (LRSW) | TOEIC (LR) |
---|---|---|---|---|
C2 | 8.5 - 9.0 | - | - | - |
C1 | 7.0-8.0 | 95-120 | 1845-1990 | 945 |
B2 | 5.5-6.5 | 72-94 | 1560-1840 | 785-940 |
B1 | 4.0-5.0 | 42 - 71 | 1150-1555 | 550 - 780 |
A2 | - | - | 625-1145 | 225-550 |
A1 | - | - | 320-620 | 120 - 220 |
うん。
TOEFLもIELTSもA2なんて低レベルすぎて測定不能ですな。
測れない試験を入試要件にしようとしてたとか、マジで意味不明です。
個人的な印象ですが、大学入試とTOEFL/IELTSはレベルが全っ然違います!
当時、TOEFLやIELTSを大学入試に活用していたお偉いさん方が何を考えていたのか、僕は本当に理解できません。
いくらスコアの変換ができても、難しすぎる試験を受験生に課しても意味ないでしょうに…